顧客が抱える「課題」を独自メソッドで「成功」へ導くマガジン。

KNOWHOWノウハウ

  1. HOME
  2. ノウハウ
  3. STRATEGY
  4. 顧客に対して提供できる独自価値について「バリュープロポジション」によって明確化できている
STRATEGY

/ 更新日

顧客に対して提供できる独自価値について「バリュープロポジション」によって明確化できている

デジタルマーケティングでも有用な、「バリュープロポジション」とは何か?

「バリュープロポジション(Value Proposition)」とは、企業が顧客に提供することができる「独自価値」を明確に定義したものです。特に、中小企業が成長するためには、このフレームワークをうまく使うことで、見込顧客の「ペイン」を解決することがカギとなります。

市場環境におけるポジション把握のために役立つ「バリュープロポジション」を知る

中小企業が、自社が「何を顧客に提供できるか」を見つめ直して整理し、それをもとに「バリュープロポジション」を明確に打ち出すことができれば、自社の製品サービスの競争力向上が見込めます。このバリュープロポジションを揺るぎないものにすることで、見込顧客にとっては、他でもなく自社の製品サービスを選ぶ「理由・根拠」が明瞭になります。

中小企業が、バリュープロポジションによって「見える化」できること

中小企業がバリュープロポジションを役立てるためには、自社の製品サービスが置かれた環境をまずは整理することが重要です。主には、「顧客ニーズ」と「競争優位」について客観的に書き出してみると良いでしょう。

顧客ニーズ

市場における顧客が求めている「価値」をしっかりと知ったうえで、自社の製品サービスがどのようにそのニーズを満たすことができるのかを具体的にします。例えば、既存顧客への満足度調査やインタビュー、営業ヒアリングなどを通じて、顧客が抱えている課題・要望を把握します。

競争優位

自社の製品サービスが競合他社と比較してどのように優れているのかを知ることで、市場での競争を優位に進められるようにします。例えば、競合他社の製品サービスと比較し、価格・品質・サポートなどのどの部分で差別化できているかを把握します。

戦略立案

顧客ニーズや、競争優位を見える化することができれば、今後において効果的なデジタルマーケティングを策定することができます。例えば、デジタル広告や、コンテンツ開発、サイト改修などで強調すべきメッセージを固めやすいです。

実際に「バリュープロポジション」によって、デジタルマーケティングの方針を固める

さて、実際にバリュープロポジションを定義していくには、「バリュープロポジションキャンバス(Value Proposition:VPC)」というフレームワークを使うのが有効です。このフレームワークは、「顧客ニーズ」と「競争優位」をもって自社の製品サービスが提供できる「独自価値」を視覚的に整理するためのものです。

主には、二つの要素を左右に分けて構成されています。左側には「顧客セグメント」が配置され、顧客が抱えている課題(ペイン)と期待する利益(ゲイン)を記載します。右側には、自社の製品サービスがどのようにこれらの課題を解決し、満足させるかの「提供価値」を配置します。

中小企業が、バリュープロポジションをやってみるときの手順

それでは実際に、「バリュープロポジションキャンバス(VPC)」を使ってみましょう。このフレームワークには、以下の「8つ」の要素があります。

VPCの図

左型:顧客セグメント(Customer Segment)

顧客ジョブ(Customer Jobs)

顧客が日常生活や仕事で行う「タスク」や「活動」のことです。顧客が達成したい目標や、完了したい作業を指します。

ペイン(悩み:Pains)

顧客が抱えている「課題」や「不満」のことです。これには、顧客が嫌うこと、避けたいこと、恐れていることなどが含まれます。

ゲイン(利益:Gains)

顧客が求める「利益」や「満足感」のことです。これには、顧客が期待するメリット、欲しい成果や、改善点が含まれます。

右側:提供価値(Value Proposition)

製品サービス(Product & Services)

自社が提供する具体的な「製品サービス」のことです。これらは、顧客ニーズを満たすためのメインとなる提供物です。

ペインリリーバー(Pain Relievers)

顧客のペイン(悩み)を軽減または解消するための具体的な機能やサービスです。これにより、顧客の課題・不満をどのように解決するかを示します。

ゲインクリエイター(Gain Creators)

顧客のゲイン(利益)を増加させるための具体的な機能やサービスです。これにより、顧客が期待する利益・満足感をどのように提供するかを示します。

中間要素(キャンバスの統合)

マッチング

顧客セグメントのペイン・ゲインと、価値提案のペインリリーバー・ゲインクリエイターを照らし合わせ、どのように一致しているかを確認します。これにより、自社の「提供価値」が顧客ニーズにどれだけ応えられているかを評価します。

優先順位づけ

顧客ジョブ、ペイン、ゲインの中で、最も重要な要素を特定し、「提供価値」の中でも特に強調すべきポイントを決定します。これにより、戦略的な焦点が明確になります。

実際の手順としては、まず、代表的な「顧客セグメント」をそれぞれ書き出します。それには顧客満足度調査や、営業を経由しての顧客ヒアリングなどが重要です。次に、競合分析をじっくりやってみましょう。競合の製品サービスの価格・品質などを書き出して比較してみましょう。その比較の中で、自社の製品サービスの「提供価値」を客観的に理解することができるようになります。そして最後には、顧客にその価値が正しく受容されるかどうかをチェックすることを忘れないようにしましょう。独りよがりに自社の製品サービスが持っている特性を、「独自価値」であると思い込んでいないか今一度、見直して考えてみることが重要です。

まとめ

バリュープロポジション分析は、自社の製品やサービスが市場でどのような位置付けにあるのかを明確にし、今後のデジタルマーケティングの方針を決めるにおいても非常に重要です。これにより、見込み顧客に対して提供できる価値を明確にし、競合他社との差別化に取り組んでいきましょう。

1つでも当てはまったらチェックしましょう。

  • 市場環境において有用な「バリュープロポジション」を知ることができた
  • 「バリュープロポジション」で、デジタルマーケティングの方針を固めることができた
グロースマーケティンググループ 編集部

グロースマーケティンググループ
編集部

「成果を、共に」
顧客と共に考え、実行を繰り返しながら「成果」を追求するグロースマーケティンググループ(GMG)の、デジタルマーケティング情報メディア。BtoB企業の営業・マーケティング担当者がすぐに使える「お役立ち情報」を発信していきます。

成功へ導く
6つの要素