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STRATEGY

更新日

自社の製品サービスの販売を進めるにあたって、「STP分析」によって市場細分化ができている

デジタルマーケティングでも役に立つ、「STP分析」とは何か?

STP分析(エス・ティー・ピーぶんせき)とは、中小企業が「どのような顧客に、どのような方法で、どのような製品サービスを販売していくのか」を考えて整理するのに便利なマーケティング戦略によく使われるフレームワークです。ここでは、STP分析について説明していきます。

市場環境において自社のポジションを明確化するための手法、「STP分析」を知る

STPという言葉は、「お客様を分ける」「狙うお客様を決める」「自社の製品サービスの立ち位置を決める」という3つの英語の頭文字をとったものです。セグメンテーション(Segmentation)、ターゲティング(Targeting)、ポジショニング(Positioning)から頭文字を取ったもので、自社の製品サービスが属する業界・市場を細分化して考えながらその中でどのようにポジションを取り、顧客にアプローチしていくかを整理するためのフレームワークになります。

例えば、デジタルマーケティングにおけるSaaSである「マーケティングオートメーション(MAツール)」の業界・市場を例にして考えてみましょう。同じMAツールでも、大企業向けだったり、高価格かつ高機能なサービスもあれば初心者向けの低料金サービスなど多岐にわたります。これらのプレイヤーの中で、どのように棲み分けしながら顧客のニーズを捉えていくかを考える際には、STP分析が有用となってきます。

STP分析を実行する際には通るべき「3つ」の分類プロセス

STP分析では、大きく分けて3つの分類プロセスによって分析することになります。一つ一つ見ていきましょう。まず、セグメンテーションは市場自体をさらにいくつか細分化すること、ターゲティングはそれらの細分化したものの中から狙うべき市場を選定すること、ポジショニングは競合他社と比較して自社の立ち位置を明確にすることです。

STPの図
セグメンテーション(Segmentation)

まず、自社の製品サービスが属する市場をさらに細かくいくつかの市場に分けて考えてみます。もともとは製品サービスを開発した際に、おおまかな営業戦略は決められているとは思いますが、デジタルマーケティングに取り組むのであればこれを機会に改めて、市場のセグメンテーションを試してみましょう。

  • 業界業種(製造業、情報通信業、ヘルスケア、自治体/公共団体など)
  • 事業タイプ(BtoB、BtoCなど)
  • 企業規模(資本金、売上高、従業員数など)
  • 地域(国内・海外、都市部・地方など)
  • テクノロジーを取り入れる文化(アーリーアダプター、フォロワーなど)
ターゲティング(Targeting)

セグメンテーションによって細分化された市場の中から、自社の製品サービスがパフォーマンスを発揮できる市場をしぼりこんで選び出します。ここでは、その市場の規模・顧客数、競合企業の数・強さ、今後の成長性・収益性などを考慮してターゲティングをしましょう。

  • 市場の規模、顧客数
  • 競合となる製品サービスの数・強さ
  • その中で、自社の製品サービスが強みを出せるか
  • 市場の成長性・収益性
ポジショニング(Positoning)

最後に、選定したターゲット市場において、自社の製品サービスをどのように位置づけるかを固めます。その市場における競合他社との違いを明確にし、その市場における顧客へよりすぐれた価値を提供できるよう製品サービスの改良や、プロモーションによる差別化をしていきます。

  • 業界において最安値
  • 顧客満足度 No.1
  • 業界最高峰の品ぞろえ
  • 累計導入実績000社
  • 00年の歴史 など

このように、STP分析をすることで自社の製品サービスの立ち位置がはっきりし、今後のデジタルマーケティングにおける打ち出し方もブレなく行えるようになります。

実際に「STP分析」によって、デジタルマーケティングの方針を固める

自社の製品サービスの市場を見つめ直すために「STP分析」をすることの有効性は、ここまででわかったのではないでしょうか。それでは実際にSTP分析を行う手順を考えてみましょう。

中小企業が、STP分析に取り組んでみるときの手順

(1)市場調査と、市場細分化

まずは、業界・市場全体の動向や顧客ニーズを把握するためにデータ収集を行います。主には、インターネット上にあるシンクタンクや政府発行の業界レポートや、営業チームなどから集めた顧客ヒアリングなどのデータを整理していきます。集めたデータから、自社の製品サービスが属する「市場」を企業規模・地域・業種などでいくつかに分けてみましょう。

(2)ねらうべき市場の選定

次に、自社の製品サービスの「強み」を競合企業の製品サービスなどから改めて把握し直しましょう。今まで強みだと思っていたポイントが、細分化した市場の中でも優位性を保ち続けられるのかを考慮して、もっとも戦いやすい市場を選ぶ必要があります。もちろん、その優位性が選択した市場における見込み顧客から支持されるかどうかも選定条件として重要です。

(3)独自性・優位性のアピール

選定した市場において、自社の製品サービスをどのように打ち出すかを考えましょう。その市場において、「品質」「機能」「価格」「品ぞろえ」「サポート」「ソリューション」などにおいてどのような点が、競合他社と比べて独自性があるか、優れているかをデジタルマーケティングの取り組みによってアピールしながらポジションを明確にするようにします。

これらのステップを順番に実行することで、自社の製品サービスの「市場」における存在感を確立することができるでしょう。

まとめ

STP分析は、自社の製品サービスをどのように市場で打ち出していこうかを、整理するには大変有効です。自社が持っている「強み」を生かし、市場にいる顧客のニーズにぴったり合った製品サービスを提供する。それがこの分析の目指すところです。改めて市場を見つめ直すことで、新しい可能性が見えてくるかも知れません。

1つでも当てはまったらチェックしましょう。

  • 市場環境において自社のポジションを明確化する、「STP分析」を知ることができた
  • 「STP分析」で、デジタルマーケティングでのアピール方針を決めることができた
グロースマーケティンググループ 編集部

グロースマーケティンググループ
編集部

「成果を、共に」
顧客と共に考え、実行を繰り返しながら「成果」を追求するグロースマーケティンググループ(GMG)の、デジタルマーケティング情報メディア。BtoB企業の営業・マーケティング担当者がすぐに使える「お役立ち情報」を発信していきます。

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