ねらうべきターゲット対象の「業種・職種・性年齢・関心・課題・困りごと」等を、ペルソナ像として設定できている
デジタルマーケティングにおいては必須となる「ペルソナ」の設定
「ペルソナ」とは、マーケティングや営業活動において、顧客の代表的な「人物像」のことで、ペルソナ設定とはその人物像を深掘りして定義づけることを言います。企業は、この定義づけをすることにより、社内でも共通したターゲットへの認識を持って、SEO対策・記事コンテンツ開発・サイト制作・メールニュース配信などのデジタルマーケティングを実行することができます。近年では生活者の消費行動が複雑化していることもあって、営業活動をするにあたってペルソナを設定するのは、BtoC企業においては一般的にでしたが、BtoBにおいてもオンラインでのマーケティング活動が普及するに従って、ペルソナの重要性が認識されています。
また、今までは正直なところペルソナ作成というとけっこう手間がかかりましたが、近年は「生成AI」が浸透したおかげでスピーディに作成しやすくなってきました。
作業手順
Webサイトの改修時や、SEO対策においては設定が欠かせない、「ペルソナ」とは何かを知る
サイト流入やコンバージョンにも影響する、ペルソナ設定の重要性
ペルソナの設定は、デジタルマーケティングにおいてはとても重要な役割を果たします。自社サイトにおける、SEO対策のひとつであるブログ・コラムなどでの記事コンテンツは、ねらう人物像をしっかり固めた上で作成しなければ関心を持って読んでもらうことはないでしょう。これはサイト流入〜サイト内での滞在時間に影響します。
また、デジタル広告のコピーワークやリード育成のためのメール配信なども、ターゲット対象の関心ごとや、仕事における課題などを把握した上で作らないと、コンバージョン(CV)につながりません。
ペルソナの設定には、ざっくりとした「企業担当者」「業種」「男性」といったターゲットイメージをさらに突き詰めて、細かく設計することが大切です。まずは、以下のふたつのカテゴリに分けられる要素を網羅してみるのが良いのではないでしょうか。
デモグラフィックデータ
デモグラフィックデータとは、いわゆる「基本属性」な人物情報です。企業規模・業種・所属部署・役職・性別・年齢など、人口統計学的な分類で、具体的には以下のような項目が含まれます。
- 企業規模
- 業種
- 所在地
- 所属部署・担務
- 役職
- 性別
- 年齢
自社において製品サービスを開発した段階で、顧客企業のイメージはある程度は固まっているものですが、デジタルマーケティングでは、これら顧客担当者との接点は、Webサイトや広告・メールなどを経由してのわずかでしかないため、顧客企業におけるさらに担当者がどんな人物かをしっかり定義づけして接点を最大化していく必要があります。そのため、コンテンツ作成の際には、製品サービスを成約する可能性がある部署・担務・年齢・性別などまで落とし込んで考えることが重要です。
サイコグラフィックデータ
サイコグラフィックデータとは、顧客の「心理的」な属性を示す情報です。デモグラフィックデータに加えて、その担当者が仕事においてどのような課題を抱えているか、そのためにどのような行動を起こすかなどを推察することが大事です。以下のような項目が含まれます。
- 経営理念・企業文化
- 担当者の仕事への意識
- 担当者が担務において抱えている課題・悩み・困りごと
- テクノロジー・イノベーションへの関心度
- 情報収集手段(業界紙誌・情報メディア・SNS・展示会・その他)
- その他ライフスタイル(変化を好む・情熱的・安定思考など)
これらのデータは、成約する可能性がある顧客がどのような価値観を持っているかを理解するために重要といえるでしょう。
実際に、デジタルマーケティングの対象であり、製品サービスの購買対象となる「ペルソナ」を設定してみる
自社の顧客を見つめ直しつつ、外部の調査データを検索エンジンで収集する
実際にペルソナを作成する段階となったら、まずは改めて自社の営業担当者にヒアリングしてみましょう。自社の製品サービスを利用してくれている顧客にはどのような企業のどのような担当者が多いかを、どの点を課題としており、自社の製品サービスのどの部分をメリットとして利用してくれているかを深掘りすることが大事です。
次に、検索エンジンを使ってデスクリサーチをしてみましょう。もし例えば、自社の製品がマーケティングオートメーション(MA)だったとすれば、
「マーケティングオートメーション 利用実態」や「MAツール 意識調査」といったキーワードで検索することで公開されている調査データの情報を集めることができます。それらをペルソナの材料としましょう。
Google(https://www.google.co.jp/)
- 「(自社の製品サービスの)製品カテゴリ」+「利用実態」
- 「(自社の製品サービスの)製品カテゴリ」+「意識調査」
- 「(自社の製品サービスの)製品カテゴリ」+「企業・アンケート」
デジタルマーケティングでは、「生成AI」を使ってペルソナの固める方法も
本来は、人的作業によって情報を集め、そこからペルソナを考案することが一般的ですが、近年の成長が目覚ましい「生成AI」を活用して、ペルソナのたたき(ドラフト)を作り上げ、そこから社内でディスカッションなどをしながら要素を削ったり付け足したりして具体的にするという方法もあります。
何かと忙しい中小企業のマーケティング担当者であれば、現在こちらの方法を採用する方が、生産性向上ができるのではないでしょうか。以下に、ChatGPT/Gemini/Claudeなどで使用できるAIプロンプト例を挙げておきます。
ペルソナのためのAIプロンプト
#ペルソナの深層心理を作成するルール
・ペルソナが、所属する企業の「規模」「業種」「部署」や、担当者の「性別」「年齢」を出力する
・ペルソナは、できるだけデータを根拠として明確な「理由」や「数値」を示す
・ペルソナは、顧客/リードの属性情報を元に、彼らがどんなことを考えているかを心理面で記述する
・ペルソナが仕事で「目標達成」するうえで感じている「課題・悩み」「希望・願望」を推測する
・ペルソナが、その「製品・サービス分野」の必要性を感じられるか推測する
・必要性を感じる場合、どの部分に魅力を感じるか推測する
・ペルソナが社内導入する際の「障壁」になりそうなことを推測する
・同じ分野で複数のプロダクトがある中で、社内導入を判断する「基準」を推測する
#製品サービス名
・BowNow
#URL
・https://bow-now.jp/
#製品サービスの分野
・マーケティングオートメーション(MA)
#製品サービスの分野についての詳細説明
マーケティングオートメーションツール(MAツール)は、マーケティング業務を自動化して効率化・生産性向上を図るツールです。個人を特定し、ひとりひとりに合ったマーケティングアプローチをすることで、商品・サービスに対する関心や購買意欲を高められます。ただし、運用には個人情報の管理や、個別のマーケティング施策が必要なので、個人を特定する必要のない低価格商品には向いていません。
#顧客・リードの属性
・対象:国内中小企業
・業種:特に指定なし
・担当部署:営業部、デジタルマーケティング部
もし、今まで実行してきたデジタルマーケティングのせっかくの取り組みが間違った方向で訴求していたとしたら、大変もったいなくはないでしょうか。そうならないためにも、生成AIなども使いながら「ペルソナ」をしっかりと設定し、社内すべてで共通認識を持った上で、SEO対策、デジタル広告運用、メール配信などブレなく行っていきましょう。
まとめ
1つでも当てはまったらチェックしましょう。
- Webサイト改修や、SEO対策では欠かせない、「ペルソナ」とは何かを知ることができた
- デジタルマーケティングおよび、製品サービスの購買対象となる「ペルソナ」を設定できた