デジタルマーケティングのための棚卸しとして「リーンキャンバス」を使うことができている
中小企業も使いやすい、代表的なビジネスフレームワーク「リーンキャンバス」
リーンキャンバスは、自社の製品サービスの事業モデルを一枚のシートに改めて書き出してみることで、どのような部分が弱みとなっているか、あるいはどのような部分が強い特徴を持っているかを整理するためのビジネスフレームワークです。元々は、スタートアップなどが迅速に自社のビジネスモデルを整理して足りない部分を強化する時などに使われますが、中小企業がデジタルマーケティングを実行する際に、自社の製品サービスのポジションを棚卸しするにはとても便利なツールです。
作業手順
デジタルマーケティングにも有益な、「リーンキャンバス」とは何かを知る
たった1枚のチャート図に、自社の製品サービスを取り巻く要素を書き出す
リーンキャンバスは、自社の製品サービスや事業モデルを「視覚的」にわかるようにして、迅速に検証するためのフレームワークです。「1ページ」だけのシンプルなチャート図なのでとっつきやすく、社内のディスカッションなどにも有効とされています。分厚い分析シートではなく1ページで簡潔に整理できることから、リソースが限られる中小企業にとっては、非常に使いやすいフレームワークではないでしょうか。
- 見える化しやすい
- 1枚なのでスピーディに整理できる
- 意思決定しやすい9つの要素
- PDCAしやすい
これらの要素を総合的に整理してみることで、市場における自社および製品サービスの立ち位置を明確にすることができ、今後はどのようにデジタルマーケティングを推し進めていけば良いかを判断することができるようになります。
実際に「要素」を埋めてみて、自社のデジタルマーケティングに取り組む
さて、「意思決定しやすい9つの要素」と前述しましたが、それが以下の要素となります。要素によっては、記述しづらいものもありますが、まずは一旦埋めていくことでデジタルマーケティングを進める際の自社の製品サービスの課題などが見えてくるかも知れません。また、新規事業などを考えている場合には、どのあたりがまだ曖昧であるかが可視化できます。
リーンキャンバスを構成する「9つ」の要素
(1)困りごと・悩み(Issue)まずは、自社の製品サービスのターゲット対象が抱えている「課題・求めているもの」を、想定でも良いのでいくつか具体的に書き出してみましょう。できれば顧客へのインタビューや、営業ヒアリングなどを通じて見つめ直すことが重要です。当初の想定していたことと違ったなどの発見があるかも知れません。
ペルソナがどのような課題を持っているかを市場の変化をウォッチしながら把握しましょう。材料費の高騰や人材不足など、企業は常に環境の変化にさらされています。また、競合からすぐれた製品サービスがリリースされて既存顧客を奪われる恐れだってあります。そのためにも今一度、現状を整理してみる必要があります。
改めて、自社および製品サービスの特徴的な「強み」を整理してみましょう。他社にはない技術力や、優れた機能、品揃えの豊富さやカスタマーサポートの手厚さなど色々あるでしょう。これらが明確になれば、自社サイトでよりいっそう積極的にアピールすべきでしょう。
コストを抑えつつ、確実に課題を解決できるソリューションを設計します。オープンソースのツールなどを上手く活用することが肝心です。
自社がこれからデジタルマーケティングに力を入れていくならば、どのような手法があるかを考えてみましょう。自社サイト、ブログ記事、メール、SNS、デジタル広告などの多様な方法があります。
また、それぞれのチャネルでどのような役割を持たせるのかなども細分化して検討してみるのが望ましいです。
自社の製品サービスの販売において、デジタルマーケティングの活動がどれくらい寄与できるかを改めて考えてみましょう。製品サービスの売上をいくら上げるためには新規の見込顧客を自社サイトで何人くらい集めてそれを育成し、最終的に商談にどれだけつなげるかなどをシミュレーションしておくことがデジタルマーケティングにおいては重要となってきます。
前述の(6)とつながる項目ですが、実際にデジタルマーケティングを運用して製品サービスの売り上げ向上を狙う場合にどれくらいまでならコストを避けるかなども事前に考えるべき要素です。営業活動のオンライン化が進んでいる現代ではありますが、後で後悔しないためにもこの辺りもしっかり書き出してみましょう。
どのような指標で、今後のデジタルマーケティングの取り組みを評価するかをあらかじめ決めておきましょう。自社サイトの流入を増やす、コンバージョンを増やす、商談につなげる数を増やすなど色々あるでしょう。これらはアクセス解析ツール(GoogleAnalytics:GA4)などを使って測定し、最適化を目指すのが望ましいです。
この項目は(3)と近い部分もありますが、競合他社の製品サービスと比べた時に、どのような差別化ポイントがあるかを明確にしておくことです。改めて自社ならではの「独自性」として、どのようなことが言えるのか考えてみましょう。
デジタルマーケティングにおいて、自社がどのように顧客から見られているか、課題を解決できているか、どのような強みが競合に比べてあるのかなどは見落としてはならない部分です。これらをリーンキャンバスを使って常に把握を繰り返し、時代の変化によって価値観も変わる中でも追いかけなければなりません。スタートアップが起業するときに使うのが主な使い方ではありますが、簡潔な1枚シート「リーンキャンバス」は中小企業にとっても、強い味方となってくれるはずです。
まとめ
1つでも当てはまったらチェックしましょう。
- デジタルマーケティングにも有益な、「リーンキャンバス」とは何かを知ることができた
- 実際に「要素」を埋めてみて、自社のデジタルマーケティングに取り組むことができた