自社の製品サービスの「ブランドエクイティ」を意識して活動しながら、長期的な好意・信頼づくりができている
顧客からの製品サービスへの信頼・好意の度合い「ブランドエクイティ」とは何か?
デジタルマーケティングにおいては商談を増やすためのコンバージョン(CV)が優先されることが多いですが、長期的には、中小企業および製品サービスの「ブランド力」を向上することも大切ですね。
そこでここでは、ブランドエクイティについてご紹介します。
作業手順
自社の無形資産である、ブランド力を整理するための「ブランドエクイティ」
米国の経営学者であるデビッド・アーカー氏が提唱した「ブランドエクイティ」は、有名な概念であり、自社のブランド力を整理しやすいフレームワークとしても使えます。企業が保有する製品サービスと、それを利用する顧客・見込顧客のあいだで発生する「信頼・好意」のことを指します。
ブランドエクイティを構成する「4+1」の要素
主にブランドエクイティは、以下の「4+1」の要素から構成されるとしています。
(1)ブランド認知(Brand Awareness)見込顧客がその製品サービスをどれだけ知っているか、その分野においてその製品サービス名をすぐ思い浮かべることができるか。BtoBにおいて、認知とはカスタマージャーニーマップの各段階においても重要な役割を果たします。
主には、既存顧客がその製品サービスにどれだけ信用・信頼をおいて、継続的に取引する意志があるか。BtoBでは、顧客ロイヤルティが高いほどに契約更新や長期的なビジネス関係を継続することができます。
見込み顧客・顧客がその製品サービスに対して抱いている印象・イメージのこと。その製品サービスに「革新的な技術」「優れたサポート」「信頼性の高いパートナー」など特徴的に連想するものがあれば、顧客の関心を捉えることができます。
顧客がその製品サービスをどのように評価しているか。企業側が自負しているものではなく、顧客が感じた使用感や、品質・性能・安全性・ホスピタリティなどの要素です。絶え間ないクオリティ向上によって顧客からの支持を得ることができます。
この4つに加えて、
(5)その他ブランド資産(Brand Assets)その他ブランド資産という要素があります。主には、ブランド以外の無形資産のことです。著作権・特許・ロゴなどの知的財産や、顧客とのきずな、独自ノウハウなどもそれにあたります。
これらの要素が組み合わさることによって強いブランド力が形成されます。ブランドエクイティが高ければ、その中小企業は競合他社と比べても「商談」で選ばれやすくなると言えます。
デジタルマーケティングによって、どのように「ブランド力」を高めていくか
それでは、中小企業がこれらの「4+1」の要素を高めていくことによって、実際にはどのような効果があるのでしょうか。
中小企業が「ブランドエクイティ」を高めることでどんなメリットがあるのか?
価格競争から脱却ブランドエクイティが高ければ、顧客は競合他社よりも高い料金を支払ってもその製品サービスを選ぶということも起こるでしょう。そのため、価格競争の激しい市場でも収益確保ができます。
顧客から信頼をすでに獲得している製品サービスであれば、新規開拓にかかる予算を抑えることができます。継続・育成にかかる費用は新規開拓よりも少なくかつ効果的に作用します。
優れたブランドエクイティを構築できれば、顧客との長期的な関係がつくれたり、紹介等による広がりが期待できます。これは、安定した売上につながります。
デジタルマーケティングによって、中小企業がブランド力を向上させていくには
では、中小企業がこれからブランド力を向上させていくにはどうすれば良いのでしょうか。
中小企業がブランドエクイティを高めるには、まず何よりも認知を上げることが重要となってきます。デジタル広告やSNS運用、SEO対策やコンテンツマーケティングなどは短期的にも有効ですが、多層的かつ継続して実行していくのが認知向上にも寄与します。
さらに印象・イメージを向上させるには、独自のブランドストーリーやビジョン、品質へのこだわりや社会的責任への向き合いなどを明確に示し、一貫したメッセージを自社サイトなどで発信することが重要です。そして、評価を高めるには、定期的に品質管理を行い、顧客からの意見に耳を傾けて真摯に改善に努めることが大事です。やはり自社サイトを通じて、お客様の声・事例実績などの公開も積極的にしていきましょう。
一方では、信用・信頼を育成するため、品質・機能の見直しや、安全・安心・サポートの充実などを通じて、地道に顧客満足度を高める必要があります。
まとめ
中小企業のデジタルマーケティングにおいて、コンバージョン獲得のための短期的な取り組みは、商談創出のためにも優先すべきでことはありますが、一方で、長期的に見ればブランドづくりは、競合他社に打ち勝って商談を成約させるためにも、ほうってはおけません。
そのためにも、デジタルマーケティングでは直近の目標は目指しながらも、未来を見据えた取り組みをすることが必要となってきます。
1つでも当てはまったらチェックしましょう。
- 自社のブランド力を整理するための概念である「ブランドエクイティ」を理解できた
- 実際に「ブランドエクイティ」の4つの要素で、自社の無形資産を分析できた