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生成AI・BPaaSによって大きく変わる、中小企業のデジタルマーケティング

中小企業が抱える、デジタルマーケティングにおける課題

国内の中小企業におけるデジタルマーケティングの必要性

日本の経済活動を長らく停滞させていたコロナ禍もようやく落ち着き、企業の営業活動・事業投資も活発になっています。

企業のマーケティング活動も大きく変わりました。営業人員によるフィールドセールス活動や、見本市・展示会へのブース出展などは今までと変わらずありつつも、オンラインを活用して「リード獲得」〜「商談」まで行うことが、中小企業においても、もはや一般的になってきています。

オンラインの活用、いわゆる「デジタルマーケティング」に積極的に取り組むことができれば、日本国内はもちろん海を超えてグローバルにおいても、製品サービスを知ってもらうことができるでしょう。また、企業規模にかかわらず中小企業であっても大手企業に負けずに、認知向上・商談創出・顧客拡大などを実行することが可能となります。

一方で、中小企業がデジタルマーケティングを上手に実践するためには、いくつかある「課題」を乗り越える必要があります。

人材・予算における制約

多くの中小企業では、デジタルマーケティングについての専門知識を持つスタッフなどが存在しないことがほとんであり、スムーズにデジタルマーケティング活動を進めていくのは簡単ではありません。また当然、使用できる資金も潤沢にある訳ではなく、限られた予算内で最大の「費用対効果」を得ることは、大きな挑戦となります。

また、デジタルマーケティングには知識もさることながら、Webサイトの最適化、記事コンテンツのライティング、メールニュースの配信など運用作業も多岐にわたります。これらを同時並行でオペレーションしていくには、ある程度しっかりした「人員体制」を設ける必要があります。

IT人材の確保状況
IT人材確保における課題
出典:2021年中小企業白書(IT人材の確保と育成) https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_2_2.html

上記は少し前ではありますが、中小企業白書(2021年)の資料データです。第2-2-19図は、IT人材の確保状況を示したものですが、これを見ると、中小企業のデジタル化を進めるマネージャーから現場の企画運用担当者、システム担当者などすべてにおいて不足していることがわかります。さらに第2-2-22図からは、多くの企業でデジタル人材を確保する体制が整っていないことがわかります。

さらには、デジタル広告の出稿や、運用ツールなどを導入する場合には一定の費用がかかります。新聞・雑誌などのオフライン媒体出稿やイベント出展等にかかる出費を考えればデジタルマーケティングでの運用予算はずっとリーズナブルと言えますが、それでも中小企業の多くが、営業販促活動に使える費用は潤沢ではないため、やりくりが求められます。外部のデジタルマーケティング支援会社に専門的なコンサルティングを依頼してすべてお任せしてしまう方法もありますが、社内に知見が蓄積できないうえに、委託費用が高くついてしまうことも少なくありません。

デジタルリテラシーの欠如

次に、中小企業がデジタルマーケティングに本格的に取り組むにあたっては、その多岐にわたる手法を知っておくことが求められます。

自社のWebサイトを制作・運用し、必要に応じてページの改修や、検索エンジン対策、コンテンツ作成、デジタル広告出稿、メール配信、アクセス解析などを包括して運用していく必要があります。また、これらの「手法」は多様化かつ進化しつづけているため、最新のトレンドを常にキャッチアップしていく必要があります。中小企業では、これらの新しい技術や手法を学ぶための時間と資源が足りないことが多いです。

さらにデジタルマーケティングの分野では、新しい「ツール」や「プラットフォーム」が次々に登場しているため、中小企業は定期的なトレーニングを行い、業界の最新動向をフォローし続ける必要があります。

また中小企業白書(2022年)の資料データより、第2-3-39図からも中小企業のデジタルリテラシー不足が垣間見られます。

デジタル化の取組状況別に見た、デジタル化に取り組む際の課題
出典:2021年中小企業白書(IT人材の確保と育成) https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_2_2.html

競争の激化

インターネット技術の世界的な普及によって、どの企業もグローバルな市場にアクセスできるようになりました。これは中小企業にとっても大きなチャンスになっていると言えますが、それと同時に多くの競合サービスと「競争」することになったということでもあります。大企業と比較してリソースが少ない中小企業が、同じ土俵でこの激しい市場競争で生き残るためには、今までと同じように地道な営業活動をしていればそれで良いという訳ではなくなりました。

デジタルマーケティングを実行する際の基本的な流れ

そのような中で、中小企業がオンラインを活用しながら認知向上・商談創出・顧客拡大をしていくにはどのような取り組みをしていくべきでしょうか。以下に、企業のデジタルマーケティング担当者がすべきことをまとめてみました。基本的に、デジタルマーケティングを成功させるには以下フローに沿って進めていくのが一般的です。

クラウドサーカスGMG・プロジェクトの進め方より
出典:クラウドサーカスGMG・プロジェクトの進め方より https://gmg.cloudcircus.jp/about.html

課題抽出と戦略立案

まず、デジタルマーケティングの事始めは、自社の製品サービスが属している「市場環境」や「競合他社」、そして「顧客」を詳しく調べて比較してみることからスタートします。このステップでは、顧客がビジネスにおいて抱えている「悩み・困りごと」や「求めていること」を理解し、それにどのように競合サービスと棲み分けしながらアプローチするかを明確にする必要があります。市場調査を行えば、業界の傾向はもちろん顧客・リードのペルソナ像を掴むことができ、競合サイト分析をすれば他社サービスの強み・弱みが見えてきます。また、検索キーワード調査を通じて、顧客・リードが求めている情報を特定し、それに合わせてコンテンツを作ることができます。

また、カスタマージャーニーマップを作ることで、リードが関心を高めて成約に至るまでのプロセスを視覚化し、各接点で顧客にどのように価値を提供するかを検討します。理想の顧客像(ペルソナ)を具体的に設定し、そのペルソナに合わせてマーケティング戦略を展開するのが重要です。

参考メソッド:
PEST分析https://gmg.cloudcircus.jp/knowhow/strategy/pest-analysis
SWOT分析https://gmg.cloudcircus.jp/knowhow/strategy/swot-analysis

設計・制作・開発

実際に、デジタルマーケティングを実行していく段階では、Webサイトの最適化が必要となってきます。ユーザービリティとアクセシビリティを考慮したUI/UX設計が不可欠です。顧客・リードのペルソナ像に沿った、わかりやすいサイト構成・ナビゲーションを用意することが重要となってきます。

さらに、中小企業がデジタルマーケティングで「成果」を得るには、まずは検索エンジン最適化(SEO)に取り組んでいく必要があります。SEO対策にしっかり取り組めば検索結果の上位に表示されて、サイト流入が増えることが期待できます。また、そのためにはサイト・コンテンツともにコピーライティングも工夫する必要があります。

参考メソッド:
UI/UX設計https://gmg.cloudcircus.jp/knowhow/uiux
SEO対策https://gmg.cloudcircus.jp/knowhow/seo

検証・テスト〜公開・運用

Webサイトもコンテンツも、一度制作してしまったら終わりという訳ではありません。これらは、顧客・リードの反応を見ながら、常に改善を繰り返していくことがデジタルマーケティングでは大切です。

顧客・リードの行動を追跡するためにGoogleAnalytics(GA4)などのアクセス解析ツールを活用し、その分析結果に基づいてサイト・コンテンツを改修していくことが重要です。特に、コンバージョン率(CVR)の改善や入力フォームの最適化は、リードの顧客化を円滑に進めるうえで欠かせません。継続的なテストと改善を重ねることで、リードを効果的に育成し、最終的に顧客に結びつけることができます。

参考メソッド:
CVR改善https://gmg.cloudcircus.jp/knowhow/cvr

これらがデジタルマーケティングの進め方の一般的な流れです。手間はかかりますが、中小企業でも、各ステップをしっかりと計画して実践することができれば、大手企業を相手にしながらもよりよい結果が期待できるでしょう。

技術革新と、今後のデジタルマーケティングの動向

さて、今までは中小企業がデジタルマーケティングに取り組む際には、前述のようなワークプロセスを経て、企業のマーケティング担当者が「人員体制」を組んで、ひとつひとつマーケティング活動を行うことが通常でした。ただし、中小企業では、人材・資金の面において限界があるため、継続して運用し続けていくことは簡単ではなく、結果として成果につながらなかった例も少なくありません。

ただ最近になって、SaaS(Software as a Service)などのクラウドサービスや、生成AI(Generative Artificial Intelligence)といった技術革新によるサービスが普及したことで、少ないリソースであっても充実したデジタルマーケティング活動を実践することが可能となってきました。

生成AI

近年、発展の目覚ましい人工知能技術(AI)を使って、利用者からの質問に対して最適な回答を提供することができる技術です。デジタルマーケティングにおいては、記事コンテンツのリライトや、コピーライティング、メール原稿作成、ホワイトペーパーの構成などでの活躍が期待できます。これまで人的リソースを使って作り上げていたテキストコンテンツの多くは、ChatGPTを始めとした生成AIを活用することで、まかなうことができるでしょう。

主なサービスとしては以下のようなものがあります。

もちろん自動生成したテキストは、社内の担当者がチェックして間違いがないかを確認した上で、サイト等で使用することが必要ではありますが、すべてを人がまかなうことに比べればだいぶ作業時間を削減できるため、中小企業にとって強い武器となることは間違いありません。

生成AIは大きなポテンシャルを持っています。今後はテキストだけでなく、画像・音声・動画なども自動生成できるようになることが予想されるため、ますますデジタルコンテンツを使ったマーケティング活動はしやすくなっていくでしょう。

BPaaS

さらに現在、注目を集めているサービスとして「BPaaS(Business Process as a Service)」があります。BPaaS(Business Process as a Service)は、企業が手がけるビジネスにおいて、クラウドツール(SaaS)と外部支援サービス(BPO)を合わせて包括的に提供する新しい考え方のサービスです。

中小企業によっては、「人材・予算における制約」や「社内におけるデジタルリテラシーの欠如」もあって、デジタルマーケティングを始めることに積極的になれないケースは多々あると思われます。外部のマーケティング専門支援会社からそれなりの費用のかかる人的なフルサービス・コンサルティングを受けることも難しい一方で、マーケティングオートメーション(MA)・サイト構築運用ツール(CMS)などのSaaSを使うこなすことも社内リテラシーの問題で断念してしまったなどもあるでしょう。

BPaaSイメージ図

「BPaaS」は、SaaSとBPOの両サービスの良いとこどりをした、新世代のサービスモデルといえます。低価格ながら高機能なSaaS(MA・CMS・チャットボットなど)を企業担当者が主体となって使用しつつ、毎月の費用を抑えた人的支援による「伴走サービス」を並行して受けることで、社内担当者がデジタルマーケティングの運用手法をサポートを受けながら学習し、最終的には独り立ちすることを目指すことができます。

あるいは、中小企業はリソースが限られているため、デジタルマーケティング活動は「システム+外部パートナー」を最大限に活用して、自社は製品サービスの開発・生産に集中するというBPaaSの活用方法も、もちろん考えられるでしょう。

中小企業は、未来に向けてどのような取り組みをすべきか

中小企業がデジタルマーケティングに取り組むにあたっては、Webサイト構築、SEO対策、コンテンツ作成、リード育成、商談化と、全ての工程で多大な労力とコストがかかっていました。しかし、時代は大きく変わりました。「生成AI」や「BPaaS」などのテクノロジーを積極的に取り入れることで、背負っていた「課題」から解放されるチャンスがやってきています。

生成AIによりコンテンツ制作が効率化され、BPaaSによって外部支援を受けることもできます。こうした最新テクノロジーを活用することで、中小企業でも従来の制約を打破し、マーケティング活動に力を入れることができるようになってきています。

これからの時代のデジタルマーケティング担当者は、これらの技術革新の流れをむしろ好機を捉え、テクノロジーや外部サービスを自社の成長のためのエンジンとして活かしながら、自らで未来を切り拓いて行くことが求められると言えるでしょう。

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