生成AIを社内活用することによる、「メリット」と「デメリット」とは

生成AIは、イチから最後まで人の力でやっていた作業を肩代わりさせることができます。例えば、営業資料や、社内マニュアル・契約書などの下書きを作成させたり、メールの自動返信や顧客からの問い合わせ対応をさせたりなど、これまで数時間かかっていたルーチン作業の多くは、数分で終わらせることが可能となってきました。

生成AIは、人がやることを大きく削減できるため人員コストを抑えることができます。たとえば、カスタマーサポートに「AIチャットボット」を導入すれば、今までよりも少ない人員で24時間対応できるようになります。最初は色々と手間もかかりますが長期的には投資対効果（ROI）が高くなるでしょう。それにより別の部分に人員を割くことができるようになります。

生成AIは、新しいアイデアや視点を提供してくれます。例えば、自社の販促においてキャッチコピーや画像ビジュアルなどを自動作成してくれます。また、ブログ記事やメール原稿なども条件に応じてスピーディに出力してくれます。これまでは社内担当者だけで考えていたものに斬新な発想を吹き込んでくれます。

生成AIは非常に使いやすいインターフェースをしていますが、かと言ってすぐに生産性が向上するというものでもありません。自社のビジネスプロセスの中でどの部分にAI技術を使用するかなどの棚卸しが必要です。また、従業員がそれを使いこなせるようにはある程度の学習時間・工数を要するため、この間、一時的に生産性が低下することも考えられます。

生成AIを利用するときは、法律・倫理にも気を払うことが大切です。AIが生成したコンテンツが他人の「著作権」を侵害してしまう可能性もなくはありません。また、データセキュリティの面でも警戒が必要です。生成AIの設定で、入力された情報を学習データとして使用できるようにしておくと、「情報漏洩」が発生するおそれがあります。

生成AIは、常に完璧とは限りません。日々精度が向上していることもあって少なくはなっているものの、不適切な表現や誤った情報のコンテンツを生成してしまうこともあります（ハルシネーション）。
このため、生成された情報はをそのまま使うのではなく、人的チェックが欠かせません。

まずは、スモールスタートから始めてみましょう。たとえば、営業メールの作成や社内ドキュメントの自動生成など、小規模で限られた範囲でAIツールを試して、その効果を実感してから徐々に範囲を広げていくのが良いでしょう。また、AIを使いこなすためには、社員がそのしくみを理解してることが大切です。定期的に社内研修・事例共有をしながら、リテラシーを高めていきましょう。

生成AIのサービス提供元との契約内容は確認しておくことが大事です。特に著作権やデータのセキュリティについて問題がないかチェックしましょう。また、社員には企業情報・個人情報をインプットしないように教育研修することが重要です。あとは、生成したものはかならず人的チェックをして誤情報や不適切な表現がないか見るようにしましょう。