生成AIを使いこなすための『AIプロンプト』とは何か、基本的な書き方のコツ

「AIプロンプト」は、生成AIを効果的に動作させるための条件入力のこと

AIプロンプトとは、生成AIに対して特定の出力を求めるための「命令文」や「指示文」のことを言います。たとえば、ChatGPTやGemini、Claudeのような生成AIツールに「次のメールの内容を要約してください」と指示する場合は、その指示自体そのものがプロンプトということになります。このプロンプトの作り方次第で、生成される回答の精度が大きく変わります。

生成AIは、人間とは違って期待するように気を利かせてはくれません。入力された条件にもとづいて作業を開始します。そのため、プロンプトの内容が曖昧だと、出力結果も意図から外れることがあります。逆に、的確で詳しいプロンプトを用意すれば、生成AIはスピーディかつ有用な情報を提供してくれます。

ここでは、生成AIのパフォーマンスを左右する、プロンプトについて考えていきましょう。

AIプロンプトの役割と、基本的なプロンプトの「書き方・コツ」について

AIプロンプトはわかりやすく言うと、生成AIに「こんなふうに出力を生成して欲しい」と規定するための命令文です。この命令文を正しく入力すればある程度は、AI生成の方向性を舵取りすることができます。綿密にプロンプトを組み立てることができれば、出力の意図違いや二度手間などが減り、スムーズに目的を達成することができるようになります。

AIプロンプト作成には、いくつかのコツがあります。まず何よりも大事なのは、「具体的」に書くことです。例えば、「営業戦略を考えて」ではなく、「予算が1,000万円で、新規顧客を10％増やすための営業戦略を考えて」といったように、目的・条件をできるだけ細かく伝えると、AIが背景を理解することができるため、ブレのない生成ができます。

次に、プロンプト内で生成AI自体が何者であるか「定義」することも効果的とされます。「あなたはマーケティングの専門家です」や「SEO対策のプロとして答えてください」といった形で生成AI自体を指定すると、より専門的な答えを引き出すことができます。

あとは、「制約」を加えることも大切です。たとえば、「300文字以内で簡潔に答えて」や「箇条書きで教えて」など、答え方を指定すると、欲しい形で情報が手に入ります。

実際に、中小企業の担当者が「AIプロンプト」を上手く作り上げるには

最後に、中小企業がAIプロンプトを作り上げるときの手順例をご紹介します。最初から完璧なものを作ろうとするとハードルが高いですが、まずは目的を明確にし、その上で細かい条件を思いつく限りに書き出して、あとは何度か試行錯誤を繰り返しながら調整・改善していけば大丈夫です。まずは、試してみましょう。

AIに命令する前に、自分が成し遂げたいことを明確にしておくことがなにより重要です。例として「サイトに掲載する記事コンテンツを作成したい」といった具体性のあることを入力するとブレのない生成が期待できます。

目的が明確になったら、今後は何を・誰が（誰に）・どこで・どのようにといった背景・ディティールを明示していきましょう。前の項でも話しましたが、このあたりが曖昧であると生成されるテキストも意図と異なるものになりがちです。記事コンテンツの作成であれば、「記事コンテンツを」「製造業の仕入担当者向けに」「SEO対策のために」「自社サイトのブログで公開」「日本語で、2000文字くらいで」などといった条件を明確に示しましょう。

最初に生成したテキストがそのまま使えるものになっていることはほぼありません。生成したら、AIに応答させた後、生成結果を見たあとに「もう少しこうして欲しい」「この部分は直して欲しい」などの調整を重ねることで、より精度の高い出力が実現できます。

まとめ

ChatGPTやGemini、Claudeなどの生成AIを最大限に活用するためには、ただ漫然と指示を入力するのではなく、具体的かつ必要な条件を満たした「AIプロンプト」を用意する必要があります。一朝一夕にできることではないかもしれませんが、試行錯誤しながらプロンプトを書くことに慣れ、日々の業務に活用できるようにしていきましょう。